先生と生徒が共に成長する場としての教室(2016年12月号)

「教」という漢字は、もとは子供にむちを打って習わせる、ということを意味しています。厳しい学問に自主的に向き合えるようになるまで、いわば強制的に学ばせざるを得ない、ということでしょう。高圧的な指導ばかりでは効果的とはいえません。学ぶことが大変であっても、それが大切なことであり、楽しみにもつながると身をもって伝えるのも指導者の役割です。  先生業をしていると、指導実績として、今迄何人の生徒を教えて…

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東京書藝展閉幕す(2016年11月号)

東京池袋の東京芸術劇場で行われた四年に一度の書展、東京書藝展が閉幕しました。一年の準備期間、作品制作の構想、稽古等も含めれば、それ以上の期間が本書展に向けて費やされたはずです。出品者の方々、指導を担当した先生方、運営にあたった事務局職員の方々、それぞれの熱意ある取り組みが結実し、素晴らしい展覧会となりましたこと喜びにたえません。特に、実行委員長の内田篤秋先生を始め審査役員の先生方には、本展成功に…

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練習の量が質の変化になるとき(2016年10月号)

収穫の秋到来です。年間賞を受賞された方々には心よりお祝い申し上げますとともに、そのご努力に深甚なる敬意を表します。  この「実り」での学習は、月例の課題が中心ですが、そのほかに師範準師範試験や昇段試験、展覧会や誌上展などにチャレンジをする機会があります。私の指導経験からなのですが、これらに取り組むと、今までの練習から一枚皮がむけたような力がつくことに気づきます。例えば書道などで、いつもは清書作…

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