書いて覚える(2025年12月号)

 四月の入学を控え、これから受験のシーズンが始まります。予備校や学習塾の広告では、真剣な面お も持も ちで筆記具を手にする受験生の姿をよく目にします。たとえ、試験がマークシート形式であろうと、受験生の知識や思考力を試す場面では、書いて覚えることが大切にされています。  人の記憶は大きく「技の記憶」と「陳述的記憶(頭で覚え、言葉や図形で表現できる記憶)」に分けられます。前者は小脳が、後者は海馬が…

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草書体を学ぶ意義 (2025年11月号)

 草書が書けなければ手紙が書けない、という言葉があります。文字数の多い手紙文を書くには、連書きが可能な草書体が向いているのは確かですし、もう一つの側面、息の長い表情性豊かな線が書けるため、その人の肉声のような言葉のニュアンスが伝え易いという点があります。  タイピングの活字による言葉のやりとりには、肉声同様、肉筆といったその人個人の身体性の要素が含まれません。文化庁が二○二四年度に行った「国語…

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絵文字と六書(りくしょ)(2025年10月号)

 中国で漢字の祖先である甲骨文字が使われ始めたのは、今から三千五百年程前です。それより前も、メソポタミアの楔くさびがた形文字は、今から五千年程前に使われ始めていました。楔形文字の原形とされるアラム文字(古拙文字)は、物の形を象かたどったいわゆる絵文字です。アラム文字の頃は、単語を羅列したに過ぎないごく短い文でしかありませんでした。  この最古の文字は、現在我々が使っている漢字と非常に似ている点…

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